1 イントロダクション(1.1節〜1.5節)


1.1 この仕様はどこに当てはまるか?

この節は、W3C版にはありません。

本仕様は、Web プラットフォームの重要な部分についてとても詳細に定義しています。 Web プラットフォーム仕様群の中での、他の仕様に対する本仕様の位置づけは、以下のように要約できます:
It consists of everything else, above such core technologies as HTTP, URI/IRIs, DOM, XML, Unicode, and ECMAScript; below presentation-layer technologies like CSS, XBL, and the NPAPI; and to the side of technologies like Geolocation, SVG, MathML, and XHR.

1.2 これは HTML5 か?

この節も、W3C版にはありません。

短い回答: はい。

長い回答: 「HTML5」という言葉は、モダンな Web 技術に言及する際のバズワードとして広く使われています。そしてその多くは(決して全てではありませんが)、WHATWG で、あるいは W3C や IETF と共に開発されたものです。

WHATWG の著作物は全て1つの仕様として発行されています(今あなたが読んでいるものです)。 また、その内の一部は Web 開発者用に最適化された形で再発行されています。

W3C も別のドキュメントとして本仕様の一部を発行しています。 その内の1つが「HTML5」と呼ばれており、こちらは本仕様(HTML Living Standard)からフォークしたサブセットです。 本仕様(HTML Living Standard)と W3C バージョンの間には、大小含めて多くの違いがあります。 残念ながら、これらの違いは現在どこにも正確には記載されていません。 従って、どれが意図的な違いでどれがそうでないのかは分かりません。

1.3 背景

WWWのマークアップ用言語にはこれまでずっとHTMLが使われてきました。HTMLは、元々は科学技術文書を意味論的に記述する言語として設計されましたが、その汎用性のある設計と長年にわたる進化によって、それ以外の種類の文書の記述にも使用できるようになりました。

HTMLが未だ十分に対処できていない主な領域は、「Webアプリケーション」と呼ばれる曖昧な対象です。この仕様書は、ここ数年で出てきた諸問題に対処すべくHTMLの仕様書をアップデートしつつ、この傾向の是正を試みます。

ここに出てくる「Webアプリケーション」が、HTML5での1つの大事なキーワードのようです。

1.4 対象読者

この仕様書は、この仕様書で定義されている機能を利用するドキュメントやスクリプトの作成者や、この仕様書で定義されている機能を利用するドキュメントを扱うツールの実装者、またドキュメントやツールがこの仕様書の要件に関して正確であることを確認したいと思っている人のための文書です。

このドキュメントは所々で正確性や完全性のために明瞭性や簡潔性を犠牲にしているため、Web関連技術に全く不慣れな方にはこのドキュメントは恐らく向いていないと思われます。そのような方は、より簡単なチュートリアルや編集ガイドのような文書の方がここで扱うトピックについてより容易に取り組み始められるでしょう。

特に、この仕様書のより技術的な部分について完全に理解するためには、DOMコアとDOMイベントについての基本的な知識が必要です。Web IDL、HTTP、XML、Unicode、文字エンコーディング、JavaScript、CSSについての理解も所々で役に立ちますが、これらは必須ではありません。

う~ん、なかなかハードルが高いですね。HTMLを初めて勉強する方は入門書や入門者向けのサイトなどで勉強を始めるのが良さそうです。

1.5 範囲

この仕様書は、静的なドキュメントから動的なアプリケーションに至るまで、Web上でアクセス可能なページを編集するための意味論レベルのマークアップ言語とそれに関連する意味論レベルのスクリプト用APIを提供するところまでに限定されます。

この仕様書では、メディアに固有の表示のカスタマイズのための仕組みを提供するところまでは含みません。(ただし、Webブラウザ向けのデフォルトのレンダリング規則はこの仕様書の最後に含まれており、また言語の一部としてCSSに接続するいくつかの手段も提供されます。)

この仕様書の範囲は、オペレーティングシステム全体を記述することではありません。特に、ハードウエアの設定を行うソフトウエア、画像操作ツール、ユーザがハイスペックなコンピュータ上で日常的に使用するようなアプリケーションツールなどは本書の範囲外です。アプリケーションという意味では、この仕様書は、高性能なCPUを必要とせず、ユーザーが時々使用するもの、あるいは日常的に使用するものでも遠隔で利用するアプリケーションを特にターゲットとしています。そのようなアプリケーションの例としては、オンラインショッピングシステム、検索システム、ゲーム(特にマルチプレーヤーのオンラインゲーム)、公共の電話帳や住所録、通信ソフト(Eメールクライアント、インスタントメッセージングクライアント、ディスカッションソフトウエア)、文書編集ソフトなどがあります。

HTML イントロダクション 1.6節

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